パイロット資格制度
米国での職業パイロットと日本での職業パイロットの分岐点
ヘリコプターの場合、職業パイロットへの経路は大きく分けて2つあります。一つは、米国のフライトスクールにおいてインストラクターを経たのち、米国の運航会社へ就職していく道。もう一つは日本の運航会社や官公庁の募集要件を満たすライセンスを取得して日本で就業する道です
マウナロア・パイロット・アカデミーは、双方を選択できる制度を採用しています
米国でインストラクターになる最も効率的な訓練課程は、FAA自家用免許→FAA計器飛行証明→FAA事業用免許→FAA計器飛行インストラクター資格(CFII)→FAAインストラクター資格(CFI)という飛行訓練と飛行検定をすべてロビンソンR22およびR44というレシプロ機でクリアしていくことです
一方、日本での就業のためには、FAA自家用訓練(R22使用)→FAAシングルタービン技能承認(シングルタービン使用)→JCABレシプロ限定自家用免許へ書換→JCABシングルタービン限定申請・書換→JCAB事業用訓練(R22使用)→JCAB事業用飛行検定(R22使用)→JCABレシプロ&シングルタービン限定事業用免許取得という流れとなります
つまり、日本での就業を前提に考える場合、米国での自家用免許取得のための飛行検定(チェックライド)をレシプロ機で受験し、タービン機の技能承認(ログブックエンドースメント)を受けたのち、日本の自家用免許に書き換えるのです。ここで気をつけなければならないのは、タービン機の技能承認をFAA公認の試験官から受けることが重要です
アメリカの制度では、ヘリコプターにおける限定拡張は公認インストラクターによって承認を受ければ良いことになっており、日本のように飛行検定という形を採っていません。ですから、簡単にできるからと言って安易に試験官資格のないインストラクターに承認を受けても、日本に帰国したときに書換ができないのです。
しかしながら、公認試験官によってなされたタービン機の技能承認は日本のライセンスへの書換が可能です。この点に注意を払ってタービン・トランザクション(限定拡張)を行わないと高額な費用が無駄になります
こうして取得したFAA自家用免許を書き換えるとき、まずは、JCAB自家用免許はレシプロ限定になりますが、ライセンスの書換が終了し手元に着いた時点で、タービン機の限定申請をします。するとこの時点でレシプロとシングルタービンの自家用免許が取得できることになります。その後、事業用訓練をR22で受け、飛行検定もそのままR22で合格すると、レシプロとシングルタービンの事業用免許が取得できるというわけです。ただし、事業用訓練は日本で行います。事業用免許は書き換えられないからです
では、これをすべて日本で行おうとするとどうなるかですが、自家用免許を取得するまでの段階で2倍近く、場合によってはそれ以上の費用が掛かってしまいます
さて、BIG JOBに対応するには、どちらにも不備がありますが、米国ではタービンへの移行(タービン・トランジション)は数時間の訓練で行えますし、就業先で行ってくれる場合もあります。日本では計器飛行証明取得やツインタービン限定取得を就業先で検討してくれます。ですから、当初必要のないものにはできるだけ自己費用負担を掛けないようにすることで、効率的な費用配分をしていくようにしましょう
皆さんそれぞれに、支払うことができるお金には限界があります
自家用飛行訓練の時点で、自分に適したどちらかの道を選択しましょう
ただし、日本では、警察や消防庁の飛行隊入隊には26歳、海上保安庁には34歳という年齢制限があります。また、民間事業会社であれば、しっかりとした運航管理を行っている使用事業会社に就職しなければなりません。正規ルートの間口が狭いからと言って、安易にいわゆる「グレー」なところに就職してしまうと、その後の「パイロットしての転職」に大きな支障をきたすことになりますので注意が必要です